2022年3月16日に発生した福島県沖地震は、福島県、宮城県内の各地に大きな被害をもたらしました。 中でも深刻だったのが「断水」です。水道管の破断によって、広い地域が断水に見舞われました。もちろん、損傷した水道管はその後、随時復旧が進められていきました。ところがそんな中、仙台市郊外のとある住宅団地だけが、水道復旧のめども立たず、給水車による生活用水の確保を強いられました。その様子は、地元メディアを中心に大きく報じられました。 復旧が行われず、断水状態のまま放置されていた理由は、この住宅団地に敷設された水道が「私設水道」だったためです。そしてこの問題は、私が普段調査している、限界ニュータウンとも深い関わりがあります。今回は、この「私設水道」の問題点について考えていきたいと思います。 「私設水道」とは? 私設水道とはその名の通り、公共のものではない、民間の事業者などが管理・運営する水道のことで