岸田秀が書いた『嫉妬の時代』(飛鳥新社)。これが出版されたのは昭和62(1987)年で、もう20年以上前になります。この本で岸田は平等主義に醸成された嫉妬の感情が日本を支配しているとして、「三浦和義事件」「戸塚ヨットスクール」「豊田商事事件」「積木くずし>親子関係崩壊」「鹿川くんへのいじめ」「写真週刊誌のモラル」など当時騒がれた事件・話題などを実例にして「嫉妬」というものを語りました。 彼が定義した嫉妬とは、 …ぼくが所有すべきもの、所有する権利のあるもの、所有して当然なもの、ぼくにこそ値するものを、ぼくが所有しておらず、あるいは、ぼくの所有が脅かされており、そして、第三者がそれを不当に所有していると思われる場合、または少なくとも、所有しているのではないかと疑われる場合、ぼくがその第三者に抱く憎しみの感情… というものです。「嫉妬について語るとすれば…ぼくの感情について語るしかありません」