<< 前の記事 | トップページ | 次の記事 >> 2007年07月17日 (火)視点・論点 「見えない群衆」 今日は、情報社会における群衆について考えてみたいと思います。 わたしは1980年代から世界各地を移動しながら、写真や映像の作品を制作してきました。 それはレンズをとおした現象の記録ですが、 さまざまなテーマのなかで常に関心を寄せてきたのは、人間であり、 特に群衆という現象をとおして見える現代社会の変容です。 多摩美術大学教授 写真家 港千尋 写真がその発明直後から複製メディアとして大きな成功を収めたのは、 まさしくそれが大衆社会の到来に重なっていたからで、 それ以来、すでに170年近くにわたりレンズは多くの人間の集団を写してきました。 人間は生まれてから死ぬまで、その節目節目で必ずと言ってよいほど写真を撮ります。 家族写真にはじまり、学校や会社