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ブックマーク / honz.jp (5)

  • 『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 - 断層を乗り越えるための技法 - HONZ

    保守とかリベラルとか、その手の話題とは願わくば一線を引きたいと思っていたし、あまり深入りせずに真ん中あたりをうろちょろしていると思われたいのが音だ。だが、ここまで明確に人間社会における道徳の機能的価値を晒されると、むしろ知らないことの方が怖くなってくる。 道徳心理学という手法を活用した書の明快すぎる論考には、いささか著者固有のバイアスもかかっていることだろう。だが、冒頭に大部分の分量を割いて、そのスタンスを丁寧に明示している。それは、社会的直観モデルとされる「まず直観、それから戦略的な思考」というもの。つまり直観の概念を重視しながら、人間の性を描き出そうとしている。 このスタンス自体、論争の対象になりうるだろうし、実際、書にはいくつかの批判も寄せられたのだという。だが、紹介されている膨大な新事実を前に、その種の議論が周回遅れの印象を受けるほどの興奮を感じた。 冒頭から、道徳を理解す

    『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 - 断層を乗り越えるための技法 - HONZ
  • 『ヤンキー経済』六本木からも丸の内からも見えない世界 - HONZ

    書は業種や職種によっては、いますぐ役に立つビジネス書である。最終章のタイトルは「これからの消費の主役に何を売るべきか」。その最終章にはたった780円でこんなに教えてもらっていいのかというほどたっぷりと、具体的なビジネスのアイディアが満載なのだ。 たとえば、これからのビジネスとして、ネットでの有名ブランドの中古品販売は流行るはずだ。その場合はPCサイトではなく携帯サイトでなければならない。決済はアプリ課金のように電話料金に上乗せするべきだ。操作をできるだけ簡単にし、アイコンをかっこ良くしないと失敗するかもしれない。 たとえば、自動車メーカーは極限まで装備を簡素化することで安くした大型ミニバンを作るべきだ。ユーザーには「いかつめ」なライトやバンパーを徐々に自分で後付できる余裕を残すべきた。 たとえば、旅行代理店は家族同士による大部屋宿泊ディズニーリゾートツアーを作るべきだ。パークのチケット代

    『ヤンキー経済』六本木からも丸の内からも見えない世界 - HONZ
  • 『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態 - HONZ

    裁判官たちは何を考えて裁いているのか。我々素人は「法と証拠」と答えるかもしれない。だが、冤罪は後を絶たないし、冤罪の疑いが強まっても耳を傾けない司法の姿が浮かぶ。著者は裁判官の頭には裁判の公正や司法の正義の概念はないと説く。司法権力という見えない組織にがんじがらめにされ、根拠を深く考えずに自動機械的に事案を処理する「司法囚人」の姿こそが裁判官の実像だと書全体を通じて指摘する。 手厳しい意見だが、著者自身の悔恨もそこには含まれる。元裁判官だからだ。刑事裁判官として配属された2年間のうち、勾留を却下したのは1件だけだったと振り返る。その1件とは、駐車違反のおとり捜査に伴う公務執行妨害。著者は「検察官がこちらが阿呆かどうか探りを入れてきたケースだった」と背景を語る。 これをスルーしてしまうと、その後は、すべて検察官のやりたい放題になる。ボンクラ裁判官かどうか、試しているのである。-中略-「司法

    『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態 - HONZ
  • 核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ

    期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に結びついていたのが、熱核兵器とプログラム内蔵型コンピュータである。かつて数学と物理が相互に進化を促しあったように、両者はがっちりと手を組み、怪物のようなものをこの世に生み落としたのだ。 背景にあったのは、第二次世界大戦における反ナチスおよび、その後の冷戦構造による人材の集結である。アインシュタイン、オッペンハイマー、ゲーデル、チューリング、ファインマン。これらの錚々たるメンバーが、人種や学問の壁を越え、プリンストンの高等研究所を中心とす

    核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ
  • 『ウォールストリート・ジャーナル式 図解表現のルール』 - HONZ

    戦略コンサルタントにとっては「いまさら」感があるかもしれないが、図解表現の基をウォールストリートジャーナルのグラフィック部門の責任者が解説しただ。基だから、いまウケている、すなわちすぐに古臭く見えてしまうようなテクニックは紹介されていない。WSJだから、USA Today的なフルカラーの図解も扱っていない。 たとえば円グラフの項では、パイの一部分を切り離すような特殊効果や3次元効果は使わうべきではないと断言する。家やヒトのアイコンを使って量の比較をする場合、部分的なアイコンは使うべきではなく、縮小拡大もダメだとする。 当たり前のようなことなのだが、このたぐいの基の摺合せをしておかなければ、チームでプレゼン資料を作るときなどに不都合が生じるし、なによりもダサいプレゼンになってしまう。チームで一冊持っていても損のないだ。 ところで、訳者の経歴がスゴイ。辻調理師専門学校→ブラウン大学と

    『ウォールストリート・ジャーナル式 図解表現のルール』 - HONZ
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