例によってまとまりが全くない内容であるが,現在の自分の記録ということで,エントリを書いてみたい.大江健三郎について. 私がはじめて大江健三郎の小説を読んだのは,高校くらいのときだったと思うが,そのときは受け入れることができなかった.それは,大学に入ってもそうだったように思う.また,その政治的な活動や思想についても,完全に受け入れることができないような気がした. しかし,大江健三郎は,それ以降も,気になる存在ではあった.というのは,大江の師,渡辺一夫への思い,息子光氏のこと,大江の文学に対する姿勢,といった,いわば,その作品自体とは別のところで,関心を捨て切れなかったのである. そのような状況で,再び大江健三郎の小説を再び読んでいこうという気になったのは,2004,5年あたりの,朝日新聞の大江健三郎の連載「伝える言葉」を読んでからである.その連載は,現在では朝日文庫の「「伝える言葉」プラス」