住民を襲ったと見られるスマトラトラのうちの1頭。先月11日、森林警備隊などに捕らえられた=AP インドネシア・スマトラ島で絶滅の危機にあるスマトラトラが、住民らを襲う事件が相次いでいる。1月下旬から少なくとも9人が犠牲になり、多数が負傷。トラ4頭が住民によって殺害された。森林の違法伐採や急激な開発でトラのすみかが失われていることが背景にあるようだ。 襲撃が続いているのは、同島中部ジャンビ州の熱帯雨林にあるスンガイグラム地区周辺。地元報道などによると、数年前まではトラが集落に現れることはまれだったが、ここ数年、人を襲って食べる例が続出。1日には違法伐採の拠点として建てた小屋で男性2人が襲われ、頭や腰などをかまれて死亡した。3日夜にも男性1人が犠牲になった。周辺は自然林の伐採が禁止されている地域が多いが、違法伐採が絶えない。 同島に生息するスマトラトラは推定で500頭以下とされる。生息地