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米国のとある調査によれば、企業では毎年60%以上の割合でデジタルデータ量が増加し続けているという。財務データや顧客情報などの定型的なデータやビジネス文書だけでなく、電子メールやインスタントメッセンジャーなどを通じて交わされるコミュニケーションの結果もデータとして蓄積されることを考えると、このデジタルデータ量は企業活動が生み出す情報量そのものに限りなく近い値と考えられる。 しかもこれらのデータは1箇所に蓄積されているとは限らない。例えば部門ごとに構築されたWebサイト/ファイルシステム/業務システムのほかにも、グループウェアのような情報共有系のシステムにも分散して蓄積されているのだ。 知的生産活動という行為の大部分が、情報を見つけだし取捨選択する作業の連続であるとすれば、この状況がどれほど非効率的なことであろうか。 システムごとに分散している情報を集約して、利用者が欲しい情報に直接アクセスで
これまで本連載では、企業情報ポータル(注1)が注目されている背景とその機能について解説してきた。今回は連載のまとめとして、「ポータル導入の成否を分けるポイント」を整理していこう。 ※注1: 一般に企業情報ポータル(Enterprise Information Portal)はEIPと略称されるが、本連載では概念としてのポータルと、ソフトウェアやツールとの違いを明確にするため、前者を「ポータル」、後者を「EIPツール」として記載する。 ポータル導入プロジェクトにおける成功とは、利用部門の支持を得ながら企業活動において不可欠なITインフラとして活用されている状態を指している。 逆にシステム的には稼動しているが、業務上利用されずに償却期間を待つだけのポータルは、失敗したポータルといってよい。当然、技術の検証や試行までは実施したものの、全社展開にまで至らなかったケースも含まれる。 これまでメディア
5ヶ月ほどにわたりこのブログの執筆をお休みしてましたが、今日から再開させたいと思います。 「MONETIZING FOSS: THE RED HAT SOLUTION」という33ページのレポートが2007年の1月に出て、一部で話題になっていたのだが、今、検索してみても、どうやら日本語で解説しているものがないようなので、今回から数回にわたって紹介していこうと思う。著者はClark Asayで、このレポートはスタンフォード大学のロースクールでの研究論文と思われる。 このClark Asayというのは、有名なMatt Asayの弟なのである。(Asayはどうやらアイシーと発音するらしい。) 兄のMatt Asayは、CMS製品のオープンソース企業であるAlfrescoのビジネス開発担当のバイスプレジデントである。著名な法学者のLawrence Lessig教授のもとで法学を学び、元はNovell
オープンソースは、ハードウェアやソフトウェアのベンダ、補足的なサービスまたは代替サービスのベンダに競争力アップをもたらす大きな能力を秘めている。オープンソースソフトウェア(OSS)の採用と成功に、Linuxは多大な貢献を果たしてきた。IBM、HP、Red Hat、Oracle、最近のNovellなどの企業がLinuxに資本を投下し、データセンター運営などのエンタープライズアプリケーションへのLinux採用を本格化させている。 IBMとHPのLinux関連サービスの年間売上げは、10億ドルを超える。Oracleは、”Unbreakable Linux”をスローガンに掲げてLinux事業を積極的に推進し、両社に近い売上げを達成している。Linuxの波に乗ろうと、米Computer Associatesや米Peoplesoftなどの企業は、Linuxへのアプリケーション移植を大胆なスケジュールで
企業でのWebサービスの実現が具体的になるにつれ、パスワード/IDマネジメントが重視されるようになり、「シングル・サインオン」がますます注目を集めている。この連載では、シングル・サインオンの実践ステップなど具体的な考え方を紹介する。また、メタディレクトリやLDAPなど「ディレクトリ統合」をキーワードとしてシングル・サインオンを実現するための技術を分かりやすく解説する。(編集部) シングル・サインオンとは何か 現在、多くの企業の情報システムは、多種多様なプラットフォームを組み合わせて利用しています。そして、それらのプラットフォーム上では多種多様なアプリケーションが動作しています。 通常、ユーザーはクライアントPC上のOSや各アプリケーションに対して、ログインの手続きを行ったうえでそれらを使用します。ユーザーは自分自身を識別するための情報(例えばユーザーIDとパスワードの組み合わせ)を提示し、
ディレクトリとLDAPを理解する 第1回「なぜ『シングル・サインオン』は必要なのか?」で解説したように、ユーザーIDやパスワードの認証管理に、ディレクトリやLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)などの技術が使われています。そこで第2回は、「シングル・サインオン」へのファーストステップとして、それらに焦点をあてて解説します。LDAPが特に使われるようになった経緯から、LDAPの4つのモデルと、3つの機能、メリットやデメリットを解説し、具体的に利用できる製品までを紹介します。 データベースより自由度の高いディレクトリ ディレクトリとは、目的の情報を探し出す仕組みのことです。わたしたちの生活に当てはめれば、図書館の目録や電話帳、ショッピングセンターの案内板などがそれにあたります。そして私たちは、より情報を探しやすくするために、見出しをつけたり、項目
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