朝鮮戦争が始まった6月25日がやってくる。100万人以上が戦死し、1000万人の離散家族が生まれた朝鮮戦争。開戦から60年過ぎた今も、家族やきょうだいと会えずにいる人たちは朝鮮半島や日本、中国、旧ソ連をはじめとする世界中に散らばっていて、その悲しみは今も続いている。しかし、この歴史が風化しているのも現実ではないだろうか。こんなことを思い起こしながら、数年前、韓国の絵本作家であるユ・ジェス(柳在守)さんからいただいた絵本「돌이와 장수매(トリとチャンスメ:勇敢なタカ)」を久しぶりに開いてみた。 …舞台は海辺の丘の村で、村の人たちは漁業を続けながら平和に暮らしていた。裏山には一羽のタカがすんでいて、村人が釣った魚を盗もうとする動物がいれば追い払い、村に何か危険が起こりそうな時は知らせ、人々の尊敬を集めていた。しかし、ある日ワシの軍団が村が襲い、平穏な暮らしは一変する。その悲劇を救ったのもチャン