【北京=中沢穣】ロシアのウクライナ侵攻を巡り、中国の習近平(しゅうきんぺい)政権は非難も支持も表明しないあいまいな姿勢を続けている。ロシアとは対米強硬路線で一致するものの、欧米との決定的な対立には巻き込まれたくないのが本音だ。不明確な対応ぶりからは、ロシアの侵攻が予想外だったフシもうかがえる。 中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)副報道局長は3月1日の記者会見で、ロシアへの経済制裁について「問題解決の手段として、制裁の使用に反対する」とあらためて訴えた。同省はこれまでロシアの行為を「侵攻」と認めず、「米国がロシアへの圧力を強めて危機を高めた」などと米国側を非難している。 一方、中国はロシアへの明確な支持も示していない。習近平国家主席はロシアのプーチン大統領と2月25日に電話協議し、「道理や正義によって立場を決める」とプーチン氏に伝えた。慎重な発言からは、ロシアとウクライナの双方と良好な関係を