児童扶養手当の受給を続けるため区役所に提出した「現況届」のコピーを手にする女性=福岡市内で2020年12月10日午後5時17分、青木絵美撮影 福岡市で18歳の長女を育てる女性(54)が昨年8月、低所得のひとり親家庭に支給される月額4万3160円の「児童扶養手当」を突然打ち切られた。20年以上前に別れた元夫が、知らないうちに女性が住むアパートの部屋に住民登録していたからだった。事実婚を疑った市は手当を打ち切り、住民登録後に支給した分の返納も求めている。なぜこんなことが起きたのか。 女性は元夫との間に成人した息子3人、2011年に病死した前夫との間に長女(18)がいる。現在はアルバイトで働く次男(24)と高等専修学校に通う長女の3人で家賃約7万円のアパートに暮らす。弁当店で働いて得る13万円ほどの給料と長女の養育に対する児童扶養手当でやりくりしているが、生活はぎりぎりだ。12年前に今のアパート