アルフォンス・ミュシャが晩年手がけた壮大な連作絵画「スラヴ叙事詩」全20点がそろって初来日中です。 そこではミュシャと聞いて多くの人が思い浮かべる、優美なパリ時代のアール・ヌーヴォーとは異なる作風が展開されています。 祖国に戻ったミュシャは何を思い、伝えようとしたのか。「スラヴ叙事詩」制作の地・チェコを旅しました。 プラハ旧市街にある市民会館の「市長の間」に描かれたミュシャの天井画。 1.“スラヴ叙事詩が生まれた場所”ズビロフ城へ いろんな時代の建物が混在しているズビロフ城。写真中央に見える塔がもっとも古く、12世紀の建造。 まず始めに、チェコの首都プラハから車で高速を西に走ること1時間、ズビロフ城を訪れました。 現在は古城ホテルとして営業していますが、巨大連作絵画「スラヴ叙事詩」は1910年から16年にわたってこの場所を住まい兼アトリエにして制作されました。ミュシャがアトリエにしていたホ