フクシマからの報告 2019年春 福島第一原発復旧工事で白血病になった作業員再訪 「俺は昔の炭鉱夫くらいにしか思われてないのか」 今回の「フクシマからの報告」の取材のために、福岡県北九州市を訪ねた。東京から出発して、福島県とは反対方向の西に飛行機で飛ぶ。 なぜフクシマとは離れた福岡県に行くかというと、北九州市に福島第一原発の復旧工事に参加したあと、白血病にかかった池田和也さん(44)=仮名=が住んでいるからだ。2017年3月にも一度、池田さんを訪ねて話を聞いた。「俺たち作業員は捨て駒なのか」という記事で本欄で公開した。私が本欄で書き続けている「フクシマからの報告」の中でもっとも大きな反響があったインタビューである。 池田さんは志願して福島第一原発の復旧工事に参加した。元々は独立自営の溶接工である。2011年3月、津波で多数の死者が出るなか、小さな男の子が死んだ報道を見て「自分も何か東