わたしは現在、UNRWA(United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East =国連パレスチナ難民救済事業機関。通称ウンルワ)で保健局長という立場で働いている。UNRWAは1949年の国連総会で創設が採択され、1950年から活動を続けている。パレスチナ難民への支援の主な内容は、医療・教育・社会福祉で、活動の範囲はヨルダン・レバノン・シリア、さらに、東エルサレムを含むヨルダン川西岸とガザの両パレスチナ暫定自治区に及ぶ。その活動の様子を『天井のない監獄 ガザの声を聴け!』(集英社新書)にて執筆したのが2019年だった。 あれから4年。2023 年 10 月 7 日から始まった戦争は収束の気配は全くなく、戦禍は続いている。私の勤務地ヨルダンや、ガザに近いエジプトから後方支援を続けたが、ガザの