忘れ去られた「啐啄同機」のメッセージ 政治家の仕事の1つは、学者とメディアに罵詈雑言を浴びせることだ。学者は、現場を知りもせず机上の空論をまくし立てる。メディアは、肝心なことは報道せず意図的な編集をする。同情に堪えない。 だが、罵詈雑言すら場所を選ばざるを得ない政治家がいる。小沢一郎だ。いわゆる「カネ」をめぐる報道は、検察リークと記者クラブのあり方を問い直すほど過熱した。既存メディアへの不信から口を閉ざした小沢は、ネットメディアに場所を得る。 媒体名からして、強面イメージに合わない。いや、ニコニコ動画な小沢は饒舌だった。「多くの人にオープンで、意見を言えるし、それに対して僕も反論できる…多くの方に分かってもらえる」。ネット中継なら、意図的な編集もなく国民に真意が伝わるはずと言いたいのだ。 その小沢は、佐藤栄作政権の1969年12月に初当選している。佐藤派に属したが、その親分の既存メディアへ