「ハコモノ(公共施設)のリストラ」を掲げる橋下徹市長は1月29日に中之島(同市北区)に予定している新美術館に統合する「閉鎖検討」方針を打ち出したが、わずか半月後の今月15日には「完全統合は決定ではない」と軌道修正し、2美術館のあり方について再検討に入った。 「2館併存検討」に転じた背景を探った。 ◆トーンダウン 「文化財保管の重要性について、僕の中で認識が欠けていた」 今月4日、市立美術館を視察した橋下市長は、神妙な面持ちで記者団に語った。たった6日前に「2館を併存させるわけにはいかない。一本化の検討が必要」と述べていた「閉鎖検討」方針がトーンダウンした。 15日には、「天王寺は東洋美術、中之島は西洋ですみ分けになる」と、市立美術館の存続に含みを持たせる発言を行い、「閉鎖検討」は白紙になった。 「中之島は水害の危険度が大きい。市長はリスクを回避したのではないか」。市幹部は短期間での市長の変