京都大学霊長類研究所(犬山市)の友永雅己准教授(45)(比較認知科学)のグループが、ヒトとチンパンジーの視線の動かし方の違いを、新しい実験システムを使って解明することに世界で初めて成功した。7月に岐阜県各務原市の中部学院大学で開かれる日本霊長類学会で成果を発表する。 ヒトに最も近縁なチンパンジーの心の働きを目の動きを通してとらえるのが狙い。同研究所大学院生の狩野文浩さん(26)が、眼球運動を調べるため開発された「注視点追跡システム(アイ・トラッカー)」を使い、6頭のチンパンジーと大学生21人を対象に1年がかりで実験を行った。 実験はパソコン画面にチンパンジーやヒト、キリンなどの動物の全身画像計72枚を順に映し出し、チンパンジーとヒトが画像のどこに注目するか、視線の動きを赤外線カメラで調べた。 その結果、チンパンジーもヒトも顔に注目し、繰り返し見るのは同じだった。ヒトとチンパンジーが顔に注目