12月4日に投票が行われた東京・品川区長選の再選挙。 どの候補者も法律で定められた票数に届かず再選挙となるのは、自治体トップを決める選挙では全国7例目、都内では初という珍しい事態となった。 さらに、首長選挙では全国初の“再々選挙”もありえるのではと懸念される中、 結果、1回目の選挙で最多得票だった候補者が再選挙に圧勝し、決着を迎えた。 “再々選挙”は、なぜ回避できたのか。2度にわたる激戦の裏側を取材した。 (浜平夏子 鵜澤正貴 勝又千重子) “最多得票”だが“当選”ではない 事の始まりは10月2日。 午後11時ごろ、任期満了に伴う品川区長選挙の開票結果の情報が、候補者の1人、 元都議会議員、森澤恭子の事務所に伝えられた。結果は、候補者6人の中でトップの2万7759票。 笑顔を見せていた森澤だったが、困惑した面持ちに変わった。 最多得票ではあったが、当選には該当せず、再選挙になるというのだ。