ヨーロッパでユダヤ系の住民に対する差別や暴力が広がるなか、フランス政府は、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動などを犯罪と見なして取り締まるなど抜本的な対策を講じることを明らかにしました。 具体的には、ソーシャルネットワークを通じて広がるヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動などの監視を強化して、犯罪と見なして取り締まるために、警察に「サイバー・パトロール」と呼ぶ専門チームを発足させます。また、差別に基づく犯罪を厳罰化するほか、学校で道徳や歴史教育を拡充して子どもたちが差別について学ぶ機会を増やすことなどを柱に掲げています。 フランスでは、ヨーロッパで最も多い50万から60万人のユダヤ人が暮らしているとみられ、去年ユダヤ系の住民を標的にした犯罪は、851件と前の年の2倍に増えています。今回の発表は、こうした反ユダヤ感情の高まりにフランス政府が危機感を強めていることが背景にあります。