FCLPが米軍厚木基地から硫黄島に移転する際の経緯が記されている米軍の部隊史=2021年1月25日午後2時54分、宮城裕也撮影 日本政府が1993~95年、日米の特別協定に盛り込まれていないため予算執行の根拠がなく、本来は負担できない米軍の訓練移転費を在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)でひそかに肩代わりしていたことが、米軍の公文書で明らかになった。米軍の要求に応じたもので、名目上は米軍厚木基地(神奈川県)の保守費用を増額する形を取っていた。専門家は年々拡大する在日米軍関係経費の一端を示していると指摘する。 公文書は機密解除された米太平洋軍(現インド太平洋軍)の部隊史など。80年代に厚木基地で実施されていた米空母艦載機部隊の陸上離着陸訓練(FCLP)が91年、硫黄島(東京都)に移転した際の経緯が記されている。FCLPの関連資料を集めている山本章子・琉球大准教授(日米関係史)が米シンクタンク