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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (15)

  • きれいごとがうさんくさいのには理由がある 週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG

    次の2つの質問に「まったく反対」「やや反対」「やや賛成」「まったく賛成」のいずれかで答えてください。 ほとんどの女性はほんとうに頭がよいとはいえない。 ほとんどの女性は外で仕事をするよりも家で子どもの世話をするほうが向いている。 どちらも明らかに女性差別的な主張ですから、良識あるひとは躊躇なく「まったく反対」とこたえるでしょう。 では、次の2つの意見はどうでしょうか。 なかにはほんとうに頭がよいとはいえない女性もいる。 なかには外で仕事をするよりも家で子どもの世話をするほうが向いている女性もいる。 こんどは良識あるひとでも判断に迷うのではないでしょうか。「まったく反対」としてしまうと、「すべての女性は頭がよく、家で子どもの世話をするには向いていない」ということになってしまうからです。いくらなんでもこれはおかしいので、「やや反対」「やや賛成」などを選ぶことになるでしょう。 じつはこれは心理学

    きれいごとがうさんくさいのには理由がある 週刊プレイボーイ連載(273) – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2017/01/24
    実験の意義は否定しないけど、ここで語られてる「中立的」という語りくちのほうがよほど「うさんくさい」ですよ。
  • 「非正規」への身分差別は世界の恥 週刊プレイボーイ連載(229) – 橘玲 公式BLOG

    安倍首相が施政方針演説で「同一労働同一賃金の実現に踏み込む」と発言しました。同じ仕事をしているひとに同じ賃金を支払うのは当たり前に思えますが、驚くべきことに日ではこれまで非常識とされてきました。労働者を「正規」と「非正規」の身分に分けて、正社員のみを会社共同体の正式なメンバーにしているからです。 人種によって異なる扱いをすることが人種差別(レイシズム)で、男女の性別で待遇を変えれば性差別です。それと同様に、正規と非正規(あるいは親会社からの出向とプロパーの社員)で異なる給与体系を押しつけることは身分差別以外のなにものでもありません。 さらに問題なのは、終身雇用・年功序列の日的労働慣行が新卒一括採用や定年制という年齢差別を前提としていることです。これは日国内だけで通用するガラパゴス化した制度なので、日人(社採用)と外国人(現地採用)で国籍差別までしています。これほどまで重層化した差

    「非正規」への身分差別は世界の恥 週刊プレイボーイ連載(229) – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2016/02/15
    うむ、この人の文章で肯いたのは、わりと珍しい。
  • 【書評】日本の景気は賃金が決める – 橘玲 公式BLOG

    エコノミストの吉佳生氏は、スタバの価格から世界経済まで、あらゆる経済現象をわかりやすく解説することで人気がある。だがいちばんの魅力は、経済統計などの基礎データを徹底的に読み込んで、そこから思いもよらない結論を導き出す手際の鮮やさだ。 『日経済の奇妙な常識』はそうした特徴がよく出た一冊で、あまりに驚いたので「日銀の金融緩和がデフレ不況を生み出した」で紹介した。新刊『日の景気は賃金が決める』はその続編というか、「アベノミクス版」だ。 最近になってようやく経済メディアでも話題にされるようになったが、吉氏は前著で、「日の不況の質は賃金デフレだ」ということをいち早く指摘している。投機マネーによる資源価格の高騰で輸入物価が大きく上昇したものの、中小企業はそれを価格に転嫁できず、従業員の賃金を減らして生き残ろうとしたのだ。 その結果なにが起きたかを、このではさまざまな国際比較によって明解に

    【書評】日本の景気は賃金が決める – 橘玲 公式BLOG
  • アンチ・グローバリズムも“グローバル化”している – 橘玲 公式BLOG

    藤原章生氏の『資主義の「終わりの始まり」』を興味深く読んだので、忘れないうちに感想を書いておきたい。 著者の藤原氏は毎日新聞記者で、ローマ支局長のときにギリシアの混乱を取材した『ギリシャ危機の真実』という優れた現場報告を書いている。書はその混乱を経て、イタリアやギリシアなど“南のヨーロッパ”で「資主義はもう終わりだ」という思想が生まれつつあることを取材したものだ。 物語は、2012年1月に交通事故で急逝したギリシアを代表する映画監督、テオ・アンゲロプロスが遺した謎めいた言葉から始まる。 「いまは未来が見えない。そして誰もが大きな待合室でチェスをしながら、扉が開くのを待っている。中には扉を壊そうとする者もあるがすぐには開かない――。ここ地中海圏が、扉を最初に押し開こうとするだろう」 アンゲロプロスが死んで、この“予言”の真意を直接訊くことはできなくなってしまった。そこで著者は、イタリア

    アンチ・グローバリズムも“グローバル化”している – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2013/01/24
    「オルタ・グローバリズム」という言葉をご存じか?
  • なんだ、エネルギー危機もなかったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    以前、川島博之氏の『「作りすぎ」が日の農業をダメにする』を紹介したが、ここではエネルギー問題について“常識の嘘”を暴いた『電力危機をあおってはいけない』を取り上げたい。 システム分析を専門とする川島氏は、マクロのデータから世間一般の常識を覆す“コロンブスの卵”的な結論を導き出す。それはとても説得力があって、「なんでこんなことに気がつかなかったんだろう」と不思議に思うほどだ。 書の主張は、端的に1行で要約できる。 「人口が減れば、電力消費も下がる」 日は2005年前後を境に人口減少社会に移行し、2015年からは世帯数も純減に転ずる(これまでは独居世帯の増加で人口減でも世帯数は増加していた)。その影響を考えれば、30年ほどで原発からの電力供給は必要なくなる。「卒原発」は荒唐無稽でもなんでもない。 もちろん、「そんなのは机上の計算で、将来、エネルギー資源が枯渇したらどうなるのか?」という批

    なんだ、エネルギー危機もなかったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2012/12/14
    3・11以後としては、アメリカのシェールガス革命の時期と重なったのは幸運だった。いずれにせよ再生可能エネルギーへのシフトは必要。家庭の節電努力に負う議論は感心しない。長期的には宇宙太陽光かと。
  • 尖閣問題で、海外メディアは日本に対して予想以上に厳しい | 橘玲 公式サイト

    上海で反日デモが猛威をふるった9月半ばから昨日まで、香港やシンガポールなどを回った。忘れないうちに、海外メディアの論調で気づいたことをメモしておく。 1)日国内で尖閣諸島が日固有の領土だとされているのと同じように、中国や香港、台湾では「釣魚島」は中国固有の領土で、日によって不法占拠されているというのが常識で、日の主張は一顧だにされていない。日では「中国共産党の偏った歴史教育」が原因といわれるが、香港や台湾中国教育制度とは切り離されており、表現・報道の自由も保障されているのだから、共産党の一党独裁が終わったとしても、日の主張が受け入れられてこの問題が解決することはない。 2)中立系の香港の英字新聞では、日系企業や日系の店舗への暴力行為はChina Riskとして批判的に報じられているが、反日デモの責任は日政府にあるとされている。 3)中国と距離のあるシンガポールでも、メディ

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  • 正義の本質は娯楽である 週刊プレイボーイ連載(63) – 橘玲 公式BLOG

    大津市のいじめ自殺事件で、“加害者”とされる少年と両親の実名や写真がネット上に公開され、深刻な被害が生じています。こうした「個人攻撃」が行なわれるのは、マスメディアが人権侵害を恐れ、学校や教育委員会ばかりををひたすら批判しているからでしょう。そのため読者は、「少年を自殺に追い込んだ当事者の責任が追究されないのは理不尽だ」という強いフラストレーションを感じます。ここから、「俺が代わりに処罰してやる」という“必殺仕事人”の登場まではほんの一歩です。 復讐の物語があらゆる社会で古来語り伝えられてきたのは、それがヒトの質だからです。そればかりか、「目には目を」というハンムラビ法典の掟は、チンパンジーの社会にすら存在します。 ところで、ヒトはなぜこれほど復讐に夢中になるのでしょうか。その秘密は、現代の脳科学が解き明かしています。脳の画像を撮影すると、復讐や報復を考えるときに活性化する部位は、快楽を

    正義の本質は娯楽である 週刊プレイボーイ連載(63) – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2012/08/27
    一面ではそのとおりだが、しょせん面を捉えたものでしかない。斜に構えて本質を分かったつもりになるなら、直情径行で自らを疑わない独断と同じくらいに有害。歴史と法と社会進歩へのリスペクトがないと言ってみる。
  • 東電の社員は原発事故に責任を負うべきなのか? 週刊プレイボーイ連載(57) – 橘玲 公式BLOG

    東京電力による家庭向け電気料金の値上げ申請が強い批判を浴びています。自らの失態で原発事故を起こし、多くのひとに迷惑をかけているにもかかわらず、利用者に負担を求めるのはけしからん、というのです。 これはたしかにもっともですが、「社員の給料を下げろ」とか、「OBの年金を減らせ」というだけではたんなるバッシングになってしまいます。ほとんどの社員やOBは、原発事故とはまったく関係のない仕事をしている(いた)からです。 彼らに「責任を取れ」と求める根拠はどこにあるのでしょうか。 議論の前提として、東電が原発事故に対して「無限責任」を負っていることを確認しておきましょう。法律上は、「異常に巨大な天変地異」による原子力災害は事業者の責任が免責されることになっていますが、東電はこの免責を求めていないからです。 次に法人の責任ですが、これも法律に明快な規定があります。 株式会社の所有者は株主で、株主の代表が

    東電の社員は原発事故に責任を負うべきなのか? 週刊プレイボーイ連載(57) – 橘玲 公式BLOG
  • 消費税率30%の未来 週刊プレイボーイ連載(32) – 橘玲 公式BLOG

    野田首相は、消費税増税の「捨て石」となると覚悟だといいます。現在5パーセントの消費税率を10パーセントまで上げようと苦心惨憺しているのですが、日の財政状況を考えるとじつはその程度ではぜんぜん足りません。日国の歳出は100兆円もあるのに、税収は40兆円しかないのですから、単純に考えると、消費税率を30パーセントくらいまで上げなければ財政は均衡しません。 財政破綻の危機に陥ったギリシアの消費税率が23パーセントに引き上げられたことを考えると、これは荒唐無稽な話とはいえません。実現可能性はともかくとして、このような高消費税率の未来ではどのようなことが起きるのかをここでは考えてみましょう。 消費税率30パーセントというのは、100円の買い物で30円の税金を納めることです。1万円なら税額3000円、10万円で税額3万円、100万円だと税額30万円……と考えていけば、ひとびとがどのように行動するか

    消費税率30%の未来 週刊プレイボーイ連載(32) – 橘玲 公式BLOG
  • 自分勝手な日本人と協調的なアメリカ人 | 橘玲 公式サイト

    「日の親はなぜ子どもに甘いのか?」で、日人とアメリカ人の「確信度」の違いについての研究を紹介しましたが、近年の社会学や経済学では、国民性や文化によるエートス(行動や考え方)の差をアンケート調査や実験によって明らかにする試みが盛んに行なわれています。 こうした研究と、従来の日人論に見られる「個人的な体験からの感想」のいちばんの違いは、科学的な反証可能性が保証されていることです。たとえばある実験によって国民性についての仮説が提示されたとしても、別の実験によって第三者がその仮説を反証することができるのです。 こうした研究は、往々にして私たちの直感や常識と異なる結論を導くことがあります。その格好の例として、『残酷な世界~』から、日人とアメリカ人の協調性についての実験を紹介した部分を転載します。 *                   *                   *      

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  • 有権者がバカでもデモクラシーは成立するか? 週刊プレイボーイ連載(10) – 橘玲 公式BLOG

    その奇妙な現象は、ヴィクトリア時代のイギリスの片田舎で開催された「雄牛の重量当てコンテスト」で見つかりました。発見者は、ダーウィンの従弟で、優生学の創始者としても知られる統計学者フランシス・ゴールトンです。 コンテストは、6ペンスを払って雄牛の体重を予想し、もっとも正解に近い参加者が景品をもらえるというものでした。約800人の参加者のなかには肉関係者や牧場関係者もいましたが、ほとんどは興味位の素人で、彼らは当てずっぽうでいい加減な数字を書き込んで投票していました。 このコンテストに興味を持ったゴールトンは、主催者から参加チケットを譲り受け、統計的に調べてみました。ゴールトンは最初、参加者のほとんどは「愚か者」で、正解を知っている「専門家」はほんの少ししかいないのだから、参加者全員の平均値はまったくの的外れになるはずだと考えました。 ところが驚いたことに、参加者の予想の平均は1197ポン

    有権者がバカでもデモクラシーは成立するか? 週刊プレイボーイ連載(10) – 橘玲 公式BLOG
    nagaichi
    nagaichi 2011/07/19
    「みんなの意見は案外正しい」、「『バカ』が正規分布していなければならない」。これでいくと直接民主制は案外正しいし、極端な意見を切り捨てる小選挙区制は間違いのもとということにならないか。
  • “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアの経済危機は、どこかマンガじみている。 そもそもこの国は、野良犬と並んで公務員の数がものすごく多い。ギリシアの経済学者はこれを「公務員爆発」と呼ぶが、その数は財政危機にもかかわらず加速度的に膨張している。 この不思議な社会の仕組み報告した毎日新聞記者の藤原章生は、ギリシアの公務員問題について、労働省のエリート官僚の次のような証言を紹介している。 新たな政権ができると、官僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが好きなように身内や友人、支援者、または自分で探してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は「臨時雇用」という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか「正規雇用」になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。 前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長のポストに2人がいるなんてこともある

    “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG
  • いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG

    東京電力の損害賠償をめぐる政府支援の枠組が決まった。私は日国の一介の納税者として、また東京電力の一利用者として、この決定にささやかな疑問を持っている。 政府の決定では、東京電力の賠償額に上限は設けないのものの、株式の上場を維持し、社債などの債権もすべて保護されることになった。それでどうやって莫大な賠償資金を捻出するかというと、東京電力の毎年の利益から国に返済するのだという。 ところで東京電力の商品は電力しかないのだから、「利益」というのは利用者が支払う電気料金のことだ。電力は地域独占なので、電気料金が値上げされれば利用者には抵抗する術がない。すでに多くのメディアで、「電力料金の大幅な値上げは不可避」と報じられている。 ここで、私の最初のささやかな疑問だ。 これは要するに、東京電力が利用者から原発事故の賠償資金を取り立てて、それを被害者に分配するということではないのか。 もちろん政府はこう

    いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG
  • 東京電力は日本政府を訴えるべき – 橘玲 公式BLOG

    福島第一原発事故にともなう東京電力の損害賠償について、理解しがたい主張が横行しているので、それについて私見を述べておきたい。 議論の前提として、東京電力は福島第一原発の安全管理に責任を負っているのだから、今回の事故が引き起こした風評被害を含むすべての損害に対して賠償義務があることは明らかだ。このような場合、資主義社会では、会社法などの法律や金融市場のルールによって、誰が損失を負担すべきかを明確に定めている。今回のケースでは、賠償の原資は次のような順番で調達することになる。 東京電力は、第一に、保有する株式や不動産など、売却可能な資産をすべて現金化すべきだ。社ビルや社宅など、キャッシュフローを産まない資産はすべて売却して賠償原資にすればいい(社ビルなどはリースバックすればいい)。 役員報酬や社員の年収カットにとどまらず、整理解雇を含めたリストラによって経費を削減する。東京電力は今年度の

    東京電力は日本政府を訴えるべき – 橘玲 公式BLOG
  • ポール・クルーグマンを日銀総裁に – 橘玲 公式BLOG

    最初に断わっておくけれど、私は、マクロ経済学の議論は自分の領域ではないと考えている。これまで何度か書いてきたように、「誰も未来を知ることはできない」ということを前提に、外的環境の変化に合わせて人生設計を最適化する、というのが私の一貫した立場だ。 リフレ政策についても同様で、私の立場としては、「マクロ経済学的な議論としては成立するとしても、それが実際に期待された効果を生むかどうかはやってみなければわからない」という不可知論となる。それ以前に、経済学者のあいだですら評価が二分する経済政策について、(私のような)専門外の生活者に真偽の判断ができるわけもない。 その意味で、リフレ政策を選挙の争点にして有権者の判断を仰ぐ、というのは意味がないだろう。これはあくまでも、国民の負託を受けた政治家が自らの意思で判断すべき事柄だ。 このような前提のうえで、不可知論の立場からリフレ政策を支持できるかどうか、こ

    ポール・クルーグマンを日銀総裁に – 橘玲 公式BLOG
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