毎夜散歩がてら街のパトロールをしている。 昨日、墓場巡りをしていたら怪しい人影を見つけたので睨みつけてやった。 普段だったら睨みつけられた不審者はそそくさと立ち去るものだがソイツはオレを睨み返してきた。 月明かりしかない墓場なのでソイツが男なのか女なのかも判別できなかったがオレに敵意を持ってることは感じとれた。 数秒後、心臓がバクバク言って動けないオレを余所目にソイツは去って行った。 なんだか負けた気がした。 でももしオレがソイツと対峙しなければいソイツは凶悪犯罪を犯していたかもしれない。 試合には負けたかもしれないが勝負には勝った。オレはそう思ってる。街を守ることがオレのビクトリーなのだから。