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読み物と良エントリに関するnanashinoのブックマーク (3)

  • 0.02%の嘘 - lizard-tail studio

    水を飲んでも大丈夫?誰かにこう問われ、僕は一瞬迷い、大丈夫だよと答える。これぐらいなら大したことないよ。一瞬の躊躇を見抜いたのか、相手は怪訝そうな顔をする。 理由を一生懸命説明する。今伝えられているような放射線の量では滅多な事じゃガンにはならない。はっきり影響が出るような数字には全然足りない。不安そうな表情は消えない。彼らや彼女たちが聞きたいのは解説なんかじゃない。ただ安心したいだけだ。言葉は空しく虚空に消えていく。 当に? うん、大丈夫だよ。 少しだけ良心の呵責を覚える。僕はたぶん嘘をついている。 日では約1/3の人がガンで亡くなる。「あなたは福島原発の放射線が原因で、ガンにかかって死ぬかもしれない」この予言は後半は1/3の確率で当たり、前半は決して証明できない。たとえば10万人が1mSvの放射線を浴びるとガンで亡くなる人が5人増える。残りの約3万人は別の原因でガンになって亡くなる。

  • 死をポケットに入れて。

    最初に言っておこう。 失ったものに対しての取り返しのつかなさを感じるのは、そこから多くの物を得ていたからだ。 愛し合った分、憎み合うように。 すべての物は、そうやって釣り合いを取っている。 父を亡くしたのは、14歳の時だ。 2度目の癌で、1度目は胃で、2度目は喉だった。 告知の是非がまだ争われていた時代、彼は知ることを望み、 一時帰宅のときに、家族の卓で自分は癌だと、必ず治して帰ってくると、そう告げた。 今思うと、とても不思議な病気だと思う。 癌は自分が育つために、宿主もやがて殺してしまう。 部位的なその特徴から、喉頭癌の進行は早い。 正月の一時帰宅を終えて、 (なんとも日人とは律儀な性格だ。正月は自宅で迎えたいらしい。犯罪者でも、末期の患者でも。) すぐに目に見えて容態は悪くなった。 口内炎のように見えていた癌は段々と増えて、私たちは怯えた。 皮膚は乾き、黄色くなり、骨と皮だけになっ

    死をポケットに入れて。
  • ひいばあちゃんが死んだ

    去年の年末の話だ。 ひいばあちゃんが死んだと、実家から連絡が入った。 すぐ実家へとび、すぐに通夜、お葬式が開かれた。 つっても、あんまり親戚は集まってなかったし、集まった親戚も葬式特有の暗さは全く無かった。ていうか、久しぶりにあった親戚同士談笑していた。 それもまぁ有る意味当たり前で、ひいばあちゃんは結構前からもう、老人ホーム的なところで、「ただ生かされてる」状態だったから。言い方悪いが、ぶっちゃけほとんど死んでたも同然だったのだ。もうここ1年ほどは、誰に会っても何の反応もできない状態。ときどきスタッフの人が寝返りうたせて、点滴うたせて、痰とって……当にただ生かされているという状態だった。それが、ある時熱を出して、ころりとそのまま逝っちまったらしかった。 「まあそろそろかと思ったよ」皆そんな感じの雰囲気だった。不思議な雰囲気だった。皆別に、ひいばあちゃんが嫌いだったわけじゃない。つーか寧

    ひいばあちゃんが死んだ
    nanashino
    nanashino 2008/01/18
    “なんという死。完全に死だよ。紛れも無く死だよ。”
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