「まだまだ勝手に関西遺産」 和歌山県民は、いつでも、どこでも、餅をまく。例えば、祭り、学校行事、集会。その数は、県内で年に数百回とも、千回に及ぶとも言われる。日時や場所が書き込まれた「餅まきカレンダー」もあるほどだ。 「投げてー」「こっちもほってー」「痛たた」 6月15日、和歌山県高野町の金剛峰寺(こんごうぶじ)。弘法大師の生誕を祝う青葉まつりのフィナーレが、餅まきだ。駐車場に設けられた舞台から、約140キロ分の餅が次々に降り注ぐ。 幼子の手を引いた女性や、地元の学生、杖を片手にしたお年寄りら大勢の老若男女が集まっていた。町立高野山中学校の生徒たちは「年配者の方が僕らよりすごい」と口をそろえる。「下に落ちた餅を拾おうとしたら、横から取られた」。餅まきで人生の厳しさを学んでいるようだ。 スペインから来たエレナ・ヘレーロさん(32)は「何人かとぶつかったけど、楽しくて興味深い」。初来日で、日本
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