題名:経験は時の知覚を歪める存在である。 報告者:ダレナン 本記事は、この記事の続きです。 先の記事では、人生の可能性と色の混色との関係について検討した。そして、それらの成果として、経験とは、時の知覚を歪める恐ろしい存在であることが最終ポイントとして、浮かび上がった。そこで、ここでは、その存在を明らかにするために、経験は時の知覚をどのように歪めるのかについて思索したい。 まず時の知覚について、ヒトがそれを脳内で知覚するのは2種類存在する。塚原仲晃博士(*)によれば古代からギリシア人は時に関する2つの言葉を持っており、ひとつはクロノス(時の量的側面)、もうひとつはカイロス(時の質的側面)である1)。クロノスは物理的に計測される物理的な時間を計るメカニズムであり、脳内の神経回路の異なった位置に興奮現象が移動することでなされる1)。例えば、小脳皮質の下に埋められた神経細胞の群(核)と脳幹部の神経