囲碁の世界最強棋士の一人に4勝1敗で勝ち越したことで話題の人工知能(AI)の研究が、小説の世界でも進んでいる。公立はこだて未来大、名古屋大、東京工業大などのグループが21日、東京都内で報告会を開き、AIを使って創作した短編小説が、受賞はならなかったものの文学賞の1次審査を通過したと明らかにした。現状では、「8割方」人間の手が加わっている段階という。 《その日は、雲が低く垂れ込めた、どんよりとした日だった。 部屋の中は、いつものように最適な温度と湿度。洋子さんは、だらしない格好でカウチに座り、くだらないゲームで時間を潰している。でも、私には話しかけてこない。》 これは、AIを使って書いた小説の一部。暇を持てあましたコンピューターたちが、小説を書く楽しみに目覚め、人間に仕えることをやめてしまう短編作品だ。 研究グループの代表を務める公立はこだて未来大の松原仁教授(人工知能学会会長)によると、昨