安倍晋三首相は29日夜、日朝両政府が、日本人拉致問題について北朝鮮が再調査することで合意したと発表した。首相は首相官邸で記者団に「全面解決に向けて第一歩となることを期待している」と語った。 続いて記者会見した菅義偉官房長官は、①北朝鮮がすべての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に、日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明したこと、②日本はこれに応じ、日本が独自にとっている北朝鮮に対する措置を最終的に解除する意思を表明したこと、などを説明した。 今後は北朝鮮側が特別調査委員会を設置し、調査がスタートする。日本側は調査開始を受け、北朝鮮当局者の入国禁止など人的往来の規制、10万円超の現金持ち出しの届け出義務、北朝鮮籍船の入港禁止といった制裁措置を進捗(しんちょく)状況に応じて解除する。拉致問題の解決に向けて一歩前進した形だが、北朝鮮がどこまで真剣に取り組むかは不透明だ。