たとえば、タリバンの中にも教養人はいて、欧米の知識人と対等に話ができるのがいる。具体的には英語の著書もあるアブドルサラーム・ザイーフ師あたりだ。彼はイスラム法学の知識も、欧米の常識も理解した上で、それでもタリバンの主張の優位を多くのメディア相手に説得する力がある。 ※わたしが彼の主張に同意するわけではない。むしろ、同意点は皆無に近い。 こうした人たちは、米国務省のホルブルック代表が主張したタリバンとの和解論を逃さず、カタールを拠点に交渉を重ねて、米軍完全撤退を実現してしまった。 一方、自爆や無差別攻撃や残虐な見せしめを繰り返していれば、自分たちの目的が実現できるだろうと思い込んでいる単純で幼稚なイスラム過激派はいっぱいいて、現場でみる限りこちらが大半だ。 権力の座に就いたタリバンも、中身は大半がそういう人たちだったらしく、今まさににっちにもさっちにもゆかなくなっている。 それでも、イスラム