第256回 尊厳死法制化の動きと、 その裏にあるもの。の巻 (その3・完結編) 「このまま法制化されたら、15歳からリビングウィル(治療を断る事前の意思表示)を書かせます。法案では、都道府県ごとに啓発しなさいとなっているので、教育現場でもリビングウィルを書く練習が始まる可能性があります」 川口さんはそう指摘した。欧米諸国では、リビングウィルの作成を奨励する医療が既に始まっているという。 「でも、ALSの人たちはあまり書きたがらないです。用心深いから。一筆書いたら、自分の気持ちが変わったり、悪化して麻痺して何も言えなくなった時、『この人は前にこう書いてるから治療をしなくてもいいです』ってほったらかしにされるのが直感的にわかる。障害者はめったに書かないですけど、一般市民は知らずに書いてしまうでしょうね」 私自身も、川口さんの話を聞く前だったら「辛い延命治療はいりません」みたいなものにサインして
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