【ニューデリー=森浩】インド洋の島嶼(とうしょ)国モルディブで、連立与党を率いるモルディブ民主党のナシード党首は、前政権が昨年末に中国と結んだ自由貿易協定(FTA)を撤回する方針を明らかにした。ソリ新政権が掲げる対中接近見直しの一環とみられる。 ロイター通信などのインタビューに応じたナシード氏は「中国との貿易不均衡は大きい。中国は私たちから何も購入していない」と批判。ナシード氏はFTA締結に伴う関税変更についての改正法案を「通過させない」と話した。 親中派のヤミーン前大統領は昨年12月、野党側の反対を押し切って、中国とのFTAに調印していた。今年1月~8月のモルディブの中国からの輸入は3億4200万ドル(約384億円)だったのに対し、輸出は26万ドルにとどまるという。