タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (264)

  • 投資に関する9つの考察 - himaginary’s diary

    以前のエントリで簡単に触れたが、昨年12月半ばにマンキューが投資に関する興味深い考察をしているので、以下に訳してみる。 上のグラフは、設備とソフトウェアへの実質投資の四半期ベースの前年同期比だ。左軸のスケールに注目。投資支出とは非常に変動性が高いものなのだ。これは景気循環に関する確立された標準的事実の一つである。 投資は今回の景気後退期で特に弱含んでいる。住宅投資が弱いというならば、驚くべき話では無い。そもそもこの景気後退は住宅市場での出来事がきっかけなのだから。しかし、グラフに示されている通り、企業の投資も非常に弱くなっている。実際、このグラフ上では、今回は1982年のような以前の深刻な景気後退期よりも遥かに弱い。 なぜ企業の投資がここまで落ち込んだのか? 理由の一つは、景気後退が深刻で、投資が経済全体の状況に反応した、というものだ。別の理由は、貸し渋りが資金調達を困難にした、というもの

    投資に関する9つの考察 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2010/01/23
    マンキュー的考察の日々
  • 実質金利均等化の意味 - himaginary’s diary

    池田信夫氏が実質金利均等化について書いている。同様の議論は以前Baatarismさんが紹介された藤沢数希氏もしており、小生はBaatarismさんのコメント欄でそのおかしな点を指摘した。簡単に言えば、金融市場が裁定を図るのはあくまでも名目金利であり、実質金利ではない、ということである。 では、実質金利均等化を議論すること自体が無意味かと言うと、そういう訳ではない。実際、「real interest rate parity」でぐぐってみると、このテーマを扱った論文が数多く引っ掛かってくる。たとえば、(google scholarを除いて)最初に引っ掛かってくるこの論文では、様々な統計的手法を用いた検証を行い、実質金利均等化を支持する明確な傾向は観察されない、と報告している。 ここで注意すべきなのは、実質金利均等化の成立には、金融市場だけでなく財市場の統合化も前提となる点である。そのロジックを

    実質金利均等化の意味 - himaginary’s diary
  • ある障害に関する中間報告 - himaginary’s diary

    今日はふと思いついて書いたネタエントリ。 現時点の障害の対応状況を報告せよとのことなので、以下に簡単にメモします。 相変わらずシステムの状態は不安定です。対応としては、せっかく中央銀行制度というシステム制御ツールが長年の歴史を経てこの経済システムに組み込まれているのだから、もう少し頑張ってそれを活用してみたい、と当該ツール担当のSEに引き続き要請しています。しかしSE側は、金利がゼロになるとそのツールはサービス停止してしまうので、これ以上何もできません、と頑なに抵抗しています。しかしながら、金利ゼロでも当該ツールは動作可能、という海外での報告事例もあるので、そこを何とかするのがエンジニアの腕の見せ所だろう、と引き続き交渉しています。残念ながら、今のところ、交渉の進展は思わしくありません。 なお、このツールには、中央銀行の独立性というパッチが当たっています。これは、来はそのツールの動作の有

    ある障害に関する中間報告 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2010/01/16
    システム不安定のため疲れてしまって、いっその事、再起動すればいいと言う人もでてきましたね。
  • ゴールドマン・サックスの2010年の10の予測 - himaginary’s diary

    正月のWSJブログに、ゴールドマン・サックスの主任エコノミスト、ジャン・ハッチウス(Jan Hatzius)の2010年の10の予測がQ&A形式で出ていた。以下はその拙訳。 住宅価格は底を打ったか? 多分まだだと思うが、確信は持てない。 銀行は貸し出しにもっと意欲的になるか? おそらく。 中小企業の業況も上向くか? そうなるべきだが、今のところそうなっていない。 雇用は回復するか? 回復する。しかし我々の予測では、第2四半期に月次の雇用創出が10万に乗せるのがせいぜいであり、失業率を有意に押し下げるところまでは行かない。 貯蓄率はもっと上がることになるか? そう思う。 インフレ率はもっと下がるか? その可能性は非常に高い。 ドルの行方はインフレの危険性につながるか? その危険性は極めて限られている。 議会はさらなる財政刺激策を認めるか? イエス。 FRBはどのように「出口の手続きを取る」か

    ゴールドマン・サックスの2010年の10の予測 - himaginary’s diary
  • 実質為替レートの意味 - himaginary’s diary

    昨日紹介したクルーグマンのサミュエルソンの追悼エッセイで、「国際貿易の分野で仕事をしている人の多くは、議論が為替相場と国際収支に及ぶと、筋道の通らないことを言い始める(Most people who work in international trade tend to lose the thread when the discussion turns to exchange rates and the balance of payments)」という文章があった。クルーグマンの12/28ブログエントリでは、まさにそういった“筋道の通らないことを言い始めた”例とも言うべき発言を槍玉に挙げている。具体的には、a)インフレ懸念 とb)人民元切り上げ拒否 を同時に表明した温家宝の発言である。 クルーグマンは、両者が矛盾していることを以下のように説明している。 Consider the real

    実質為替レートの意味 - himaginary’s diary
  • 「あなたはモラルハザードの定義そのものだ」 - himaginary’s diary

    ‘You Are the Definition of a Moral Hazard’――何だか「あなたは疑惑の総合商社だ」という発言を連想させるが、バーナンキに対してジム・バニング上院議員が、12/3の米上院銀行委員会の承認公聴会の席上でそう言い放ったという。さらにバーナンキの再任を阻止するために何でもすると息巻いたらしいが、幸いにも彼の努力空しく、取りあえず12/17の同委員会でバーナンキの再任は承認された。上院会議での承認決議は来年に入ってからになるとのことである。 そんな中、12/13付けワシントンポストでは、バーナンキの功罪を論じたブルッキングス研究所のダグラス・エリオット*1の論説を紹介している。エリオットのその12/11付け小論のタイトルは、「上院議員の皆様、好きなだけバーナンキを叩いて良いから、とにかく再任してください(Beat up Bernanke if You Wan

    「あなたはモラルハザードの定義そのものだ」 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2009/12/23
    「もはやFRBの声明と日銀の声明は区別がつかないではないか、と皮肉っている」おいw
  • バーナンキは再任されるべきか? - himaginary’s diary

    バーナンキFRB議長を再任するかどうかの上院での審議がたけなわとなっているが、NYタイムズの経済ブログEconomixで、エコノミスト等の賛否の声がデビッド・レオンハートによりまとめられている。 ニュースで報じられているように、バーモント出身で無所属のバーニー・サンダース上院議員が再任反対派の筆頭格となっているが、彼のHPでは反対理由がまとめられている。サンダース議員の主張を一言で言えば、「フットボールの試合で負け続けている監督がいれば、交代させるべき」ということである。そのHPのあるページでは、バーナンキの過去の発言が、様々な見通しを誤った証拠として提示されており、レオンハートはそこから以下の発言を引用している(拙訳;括弧内はレオンハートによる追記)。 ●2005年7月1日 (住宅バブルが存在しているかどうか、それが景気後退をもたらすかどうかというCNBCの質問に対し)その可能性はまずあ

    バーナンキは再任されるべきか? - himaginary’s diary
  • 名目論争 - himaginary’s diary

    では最近リフレを巡る議論が久し振りに再燃したが、米国でもそれの写し絵のような議論が進行していた。 きっかけは、今月初めのデビッド・ベックワースによる以下の図。 これは、米国の名目国内最終需要の前年同期比のグラフだが、1960〜70年代は順調な伸びを示していたのに対し、80年代半ば以降は停滞し、最近の金融危機で大きく落ち込んでいる。ベックワースはこの図により、需要の名目値から経済を見ることの重要性を強調している。 また彼は、OECDの集計値ベースの名目GDPの伸びの推移も示しているが、以下の通り、上図とほぼ同様の推移を示している。 これらの図は、米経済ブログ界で注目を集めたとのことだ。当然のごとく、かねてから名目成長率を金融政策の目標に置くべき、と主張しているスコット・サムナーは非常に肯定的に反応し、エントリにも賛辞のコメントを寄せている。 一方、否定的な反応を示したのが、他ならぬクルー

    名目論争 - himaginary’s diary
  • 最低賃金が低いと肥満が増える? - himaginary’s diary

    という研究をマンキューが紹介している。 何だか風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話だが、そのロジックは以下の通り。 米国で過去数十年間に肥満率が高くなったのは、安価なジャンクフードが増えたためと言われている。 外のコストの大きな要因は人件費である。 よって、最低賃金の低下は肥満増加の原因となる。 研究によると 実質最低賃金の1ドルの低下はBMIの0.06の増加につながる 実質最低賃金の低下は1970年以降のBMIの変化の10%を説明できる。 との由。

    最低賃金が低いと肥満が増える? - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2009/11/14
    0.66BMI/ドル   //関係ありそうな本:http://b.hatena.ne.jp/entry/www.amazon.co.jp/gp/product/490178420X
  • 行動経済学の陥穽 - himaginary’s diary

    ティム・ハーフォードが面白い話を紹介している。 行動経済学でよく出てくる実験に、「最後通牒(最終提案;ultimatum)」ゲームというのがある。このゲームでは、被験者Aが10ドルを渡され、別の被験者Bにいくら渡すか尋ねられる。もしBがその分け前を受け取れば良し、そうでなければ両者とも何も貰えない、というゲームである。もし両者が合理的経済人ならば、AはBに1セント渡し、Bはそれを(ゼロよりましなので)受け取る。しかし、実際の実験ではそうはならない。 また、その派生としてJack Knetsch、ダニエル・カーネマン、リチャード・セイラーが導入した「独裁者(dictator)」ゲームでは、Aが決めた分け前をBは拒否できない。その場合でも、多くの場合、Aは2〜3ドルをBに渡す。 もう一つの派生ゲームである「ギフト交換(gift exchange)」では、BがAに渡すことでスタートし、Aがお返し

    行動経済学の陥穽 - himaginary’s diary
  • インターネットによって消滅しつつあること - himaginary’s diary

    テレグラフに「インターネットによって消滅しつつある50のこと(50 things that are being killed by the internet)」という記事が上がっていた(The Big Picture経由)*1。 以下はその抜粋。 1) 礼儀正しい不同意の技術 YouTubeの中身の無いコメントが代表的とは言えないにせよ、インターネットは間違いなく議論のトーンを先鋭化させた。ブログ界の最も騒々しい一画では、真面目に提起された意見の相違を受け付けることができないらしい。すべての反対者には裏があるに違いない、というわけだ。 2) 有名人の死を何とも思わないのが自分だけではないかという恐れ Twitterには不謹慎な冗談が溢れている。 3) アルバムを全曲聴くこと シングルはインターネットで思わぬ恩恵を受けた。 4) サラ・ペイリン 彼女の躓きのもととなったインタビューはネット上

    インターネットによって消滅しつつあること - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2009/09/27
     1)は、日本以外でも共通だったのか。。。
  • コチャラコタのマクロ経済学に関する10の考察 - himaginary’s diary

    米国でマクロ経済学を巡る論議が活発になっている。その台風の目となったのは、クルーグマンのNYタイムズ記事(邦訳はこちら)だが、シカゴ大学のジョン・コクランがそれに感情的なまでに反発した反論を書いて、騒ぎがさらに大きくなった。 この論争に関連する記事へのリンクのまとめとしては、Economist's Viewのこのエントリが一番充実していると思われる。 そんな中、かつて経済学の科学と工学の2つの側面について優れた論文を書いたマンキューは、時折り他者の論説にリンクを張ったエントリを上げるのみで、意外なほど沈黙を守っている。ちなみに彼がクルーグマンの記事を紹介したエントリでは「Paul offers up a very nice essay explaining his view of the field」というコメントを添えており、シカゴ派の低評価とは一線を画している。 そのマンキューの最新の

    コチャラコタのマクロ経済学に関する10の考察 - himaginary’s diary
  • ユンカーの誤謬 - himaginary’s diary

    Nick Roweが、WCIブログで、ユンカーの誤謬というものを紹介すると同時に、その誤謬も実は正しい場合があるのかもしれない、という興味深いエントリを書いていた。 ユンカーというのはプロイセン時代の地主貴族のことである(cf. Wikipedia)。ユンカーの誤謬というのは、彼らが土地に投資を振り向けたために産業への投資が滞ったのだ、という説で、フリッツ・マハループによって論破されたという。この誤謬は、以前にタイラー・コーエンやブライアン・キャプランもブログで取り上げた。 ユンカーの誤謬が誤謬たる所以を、Roweは合成の誤謬という観点から解説する。 個人のレベルでは、投資が土地購入の割をうということはあり得る。個人は自分の貯蓄を 新規の実物投資財(教育、新築住宅) 企業への貸出(=企業の実物投資財[機械など]の購入) 土地、中古住宅、既存の有価証券購入 に振り向けることができるが、前二

    ユンカーの誤謬 - himaginary’s diary
  • 米国民は耐久消費財をもう買わない? - himaginary’s diary

    レベッカ・ワイルダーが、米国の消費における耐久消費財の役割の低下について興味深い2枚のグラフを示している。 一つは、消費の主役が消費財からサービス財に交代したことを示す長期時系列のグラフで、それを見ると、1940年代には消費の6割以上を占めていた消費財が現在は3割台にまで低下した結果、60年前は4割を切っていたサービス財の割合が現在は7割近くに達していることが分かる。 ワイルダーによれば、2009年第2四半期のサービス消費のうち25%が医療関係、29%が住宅や公共料金に向けられたとのことである。ベビーブーマーの存在を考えると、こうした支出は上昇することはあっても低下することは無いので、今後もサービス財への支出の割合は増加し、それが景気回復を支えるのではないか、というのが彼女の見方である。 また、米国民は借金をして自動車などの耐久消費財を買いまくっていた、というイメージがあるが、それは神話に

  • サムナー「日銀は金融経済学を理解していないか、-1%のデフレを政策目標に置いているかのどちらかだ」 - himaginary’s diary

    20日のエントリでWCIブログコメント欄での小生とサムナーのやり取りについて書いたが、実はその後もやり取りを続けていた。どうも彼のケインズならびにクルーグマンの理解に納得できなかったので、小生がコメントを続けたのに対し、サムナーも根気良く応答してくれたので、そのピンポンが今に至るまで続いているという次第。 (当該エントリをポストしたNick Roweや管理者のStephen Gordonにとっては迷惑な話だと思うが…。サムナーのブログにも戦線を広げたこともあり、そろそろ終息させたいとは思っているのだが。) 残念ながらケインズ/クルーグマンに関する理解の差は今のところ埋まっていないが、その過程で日銀の政策に関するやり取りがあったので、参考までに紹介しておく。 サムナー、 June 27, 2009 at 04:30 PM *1 日は平均して-1%のデフレだった。我々は平均して2%のインフレ

    サムナー「日銀は金融経済学を理解していないか、-1%のデフレを政策目標に置いているかのどちらかだ」 - himaginary’s diary
  • 最低賃金引き上げは失業率を上昇させるか? - himaginary’s diary

    民主党の最低賃金を1000円に引き上げる構想が波紋を呼んでいる。 論壇では、山崎元氏が、民主党の政策は大幅な失業増を招くとして批判的である。この山崎氏の批判についてはすなふきん氏も大いに同意している。 一方、EU労働法政策雑記帳の濱口桂一郎氏は、一気に1000円に持っていくのは無理と断りつつも、その方向性に基的に賛意を表し、山崎氏の見解に反対の姿勢を見せている。また、勝間和代氏は、今年初めの毎日新聞HP上の「クロストーク」で既に同様の提案をしている。 こうした最低賃金の経済学的論点については、「日労働研究雑誌」での大竹文雄氏と橘木俊詔氏の対談において網羅的にまとめられている。そのほかの参考になるサーベイとしては、日総研のレポート、青学の金俊佑氏の卒業論文、高崎経済大学論集の石井久子氏の論文をネットで読むことができる。 純粋に経済理論的な立場から言うと、マンキューが2006/12/2

    最低賃金引き上げは失業率を上昇させるか? - himaginary’s diary
  • クルーグマン・クロス - himaginary’s diary

    クルーグマンが7/15ブログエントリで、財政赤字の有用性を示す図を描いた(下図)。 ここでは民間部門の貯蓄がGDPに対して右上がり、財政赤字が右下がりの線として描かれている(国際収支は省かれている)。その交点が均衡点となるが、ここでは当初は均衡財政であったことを仮定し、従って民間貯蓄も0を仮定している(ただしその当初条件の仮定は質的な話ではない)。ここで、民間の貯蓄性向が上昇して貯蓄線が上方にシフトした場合に、均衡財政を維持すると、GDPは大きく低下し、大恐慌を招いてしまう。それに対し、今回のように財政赤字を許容すれば、GDPの低下を抑え、せいぜい大不況に留めることができる、というのがクルーグマンの考察である。このことから、財政赤字は世界を救った、というタイトルをエントリに付けている。 このエントリに強く反応したのが、昨日紹介したカンザス集団ブログ「Economic Perspectiv

    クルーグマン・クロス - himaginary’s diary
  • ブログでは礼儀正しくあれ - himaginary’s diary

    昨日紹介したフェリックス・サーモンの記事は、The Baseline Scenarioでジェームズ・クワックが称賛していたので気付いた。そのエントリでクワックは、質より量というサーモンの考えに同意しつつも、読者を集めるための自分なりの考えを書き連ねている。彼は大物ブロガーに注目されることが読者を集める早道だと考えており、たとえばクルーグマンからのリンク1回は他のブロガーからのリンク100回分の価値がある、と書いている。 では、どうやってそうしたブロガーに名前を売るか、についてだが、クワックは 直接メールをして自己紹介する (ブロガーは返事をしないまでもメールに目を通しているもの) メールをしてブログロールに載せてもらう (ただしクワック自身はブログロールの効果には懐疑的) ブログにコメントをする (大抵のブロガーはコメントを読んでおり、気の利いたことを書けば注目する) ブログにリンクする

    ブログでは礼儀正しくあれ - himaginary’s diary
  • スティグリッツ「経済危機に導いた5つの過ち」 - himaginary’s diary

    スティグリッツがヴァニティ・フェアで、今回の経済危機に至る過去の5つの過ちを指摘した。 FRB議長の解任 1987年にレーガンに解任されたポール・ボルカーFRB議長は、インフレ・ファイターであっただけでなく、金融市場への規制の重要性も理解していた*1。そうした姿勢を嫌ったレーガン政権は、彼の首をすげ替え、規制反対論者のグリーンスパンを議長にした。 引き裂かれた壁 1999年11月にグラス・スティーガル法が廃止され、商業銀行と投資銀行の垣根が無くなった。来は商業銀行はリスクに対して保守的な半面、投資銀行は富裕層相手なので高リスク高リターンを狙う、という違いがあり、それゆえに前者は政府による預金者保護があった。しかし、同法の廃止により、投資銀行の文化が商業銀行に持ち込まれ、商業銀行がリスクを取るようになった。 それ以外にも、以下のような動きがあった。 2004年4月にSECが投資銀行の負債比

    スティグリッツ「経済危機に導いた5つの過ち」 - himaginary’s diary
  • 経済学者とブログ - himaginaryの日記

    night_in_tunisaさんが紹介したNick Roweの最新ブログエントリが大変面白い。そのエントリでRoweは、以下のようなことを書いている。 2008年7月以降サバティカルに入ったが、その後金融危機が訪れた。それ以降、1日に何時間も経済や金融のブログを読んで過ごしている。というのは、マクロ経済学者としては金融危機について知らないふりはできないが、その日々変化する状況を理解する上において、速報性の面でブログにかなうメディアは無いためである。 Stephen Gordon(Roweがエントリを書いている共同ブログ=「Worthwhile Canadian Initiative」の開設者)のお蔭で自分もブログを書くようになったが、それによって経済学について真剣に――それほど真剣に考えたのは大学院以来というほど――考えるようになった。 自分と考え方の異なる経済学者や非経済学者から学び、

    経済学者とブログ - himaginaryの日記