緊縮による財政再建について肯定的に書くと、書いてもいないことに対する批判が集まることが多いので、今回は筆者が重要と思っている点を幾つか整理して書いておきたい。 1. 殆どのケースでは緊縮は景気に対して抑圧的である。 緊縮を肯定的に書くと、「多くの国では緊縮した時に経済成長は鈍化しているからそれは間違いだ」みたいなコメントをもらうことが多いが、そのことと緊縮の是非は直接的には関係ない。 そもそも単純に考えれば緊縮が必要になるのはその前段階として借金を増やしているわけで、借金を増やして景気対策をやれば短期的には景気の下支えになるのと対で考えれば、緊縮するときに景気が抑圧されるのは当たり前と言わざる得ない。 借金を増やす時も減らす時も景気に対して拡張的なんて摩訶不思議なことは起こりようがないわけである。 その上で緊縮が長期的には経済成長にプラスになるということも別に否定されるわけではない。 たと