文学史は文学観と歴史観がなければ確立しえない。従来のように文学作品や作者・作家を、ただ時代ごとに並べることが文学史といえるのだろうか。古代から続くその歴史を、時代割り・ジャンル割りではなく、東アジア・メディア・戦争・宗教・ジェンダー・環境などのテーマを切り口に多くの図版とともにわかりやすく描いた、まったく新しい日本文学史。 新しい文学史のために/Ⅰ 東アジアの漢文文化圏と日本の文学史(日本古典の誕生/東アジア世界をつなぐ古典/コラム1 変貌する神話―記紀から中世神話へ)/Ⅱ メディアと文学(「メディア」?/言葉/声/文字/「文学」と「メディア」の行方/コラム2 絵解きと出版)/Ⅲ 戦争と文学(「戦争と文学」という視座/〈古代の戦争〉と文学/〈中世の戦争〉と文学/〈架空の戦争〉と文学/戦争をめぐる観念と実践―戦争と文学の関係史へ/コラム3 朝鮮軍記・薩琉軍記・島原天草軍記)/Ⅳ 宗教と文学(