日米貿易交渉やGSOMIAをめぐる日韓の対立など、昨今何かと話題になる日本外交だが、その外交史を紐解くなかで代表的な成功例として挙げられるのが、明治期の「不平等条約の改正」だろう。 日本の長年の悲願である不平等の是正を達成したものと理解されている「条約改正」。しかし、最新の研究ではこうした理解とは異なる説明がされるようになっている。 近現代史の見方が変わる、目からウロコの“歴史の新常識”。今回は「条約改正」について取り上げる。 「条約改正」の新常識 条約改正といえば、明治維新後の日本にとって最大の外交課題である。 1894年・陸奥宗光・治外法権 1911年・小村寿太郎・関税自主権 試験前に暗記したという方も多いのではないだろうか。 このように有名な条約改正だが、近年、理解の仕方が変わってきている。 簡単にいえば、「日本は西洋諸国に押しつけられた不平等条約を長年の格闘の末に改正した」というの