日本悲観論の中で最も影響力のあるのは財政破綻論だろう。日本政府の債務はGDPの170%以上に達しており、日本の破綻は不可避だという。「破綻」の内容は、ハイパー・インフレを含めて複数あるが、日本におカネを置いておくことは危険だと主張する。 確かに、日本政府の財政は普通ではないが、財政破綻の危機にあるとは決めつけられない。 まず「純債務」で見るとGDPの6割程度でイタリア並みだ。 また財政破綻の可能性が大きいものなら、なぜ日本の国債にこんなに買い手がいるのか。10年国債の利回りは現在1.5%を切る。しかも、日本国債の9割以上は国内の投資家が保有する。かつてのアルゼンチン、韓国のように海外投資家の動きで危機に陥る心配は乏しい。それに、日本の国債残高の最適に関する議論は(少なくとも認められた結論は)存在しない。じつは、日本の国債はこれでもまだ不足なのかもしれないのだ。 一時はアフリカの小国