狸谷不動明王300年祭とは 1787 年刊行の『拾遣都名所図会』の中に「狸谷石不動」という一節があります。それは、「一乗寺村天王より艮十町余にあり 行路嶮岨なり 高さ二丈深さ二丈許の石窟あり 中に石像の不動尊を安置す 長五尺許 木食正禅の立る所なり窟の口に扉あり 高さ四尺許厚さ一尺余 表に木食正禅朋厚と鐫す 霊験いちじるしくてつねに詣人多し 此地四隣峭壁にして谷深し 樹林蓊鬱として白日を蔵す」と。樹木鬱蒼とした三つの峰に囲まれた狸谷霊山。木食正禅朋厚は、その深い谷に二丈四方の石窟を発見し、木食行実践の為その石窟(現在の本堂内陣)に入山します。時、享保3年(1718)。その谷の名は「狸谷」。 そして入山まもなくして、木食正禅朋厚は現世利益のために、その石窟に狸谷不動明王を安置したのです(京都奉行所へは享保8 年正式に安置届出)。それ以来、この霊験著しい狸谷不動明王への祈りの法灯が現在に至るま