当時、52歳。神学校に在学した当時から、身体の入れ墨も「隠すことはない」と受け入れられたのがうれしかったという 千葉県・柏駅から、バスに揺られること20分。のどかな街並みの一角に、目的の建物はあった。 一見するとモダンな公民館のようだが、三角屋根のてっぺんに、青空を背景に真っ白な十字架が掲げられている。 「どうぞ、どうぞ。さあ、中へお入りください」 穏やかな口調で招き入れてくれたのは、シロアムキリスト教会の牧師・鈴木啓之さん(66)。チェック柄のジャケットが、ダンディな印象だ。 教会の“もうひとつの顔” 12年前にこの場所に移転した教会は、広々とした礼拝堂を持つ。壁に掲げられた十字架が神聖な空気を放っている。 「毎週日曜日は礼拝を行います。会員制ではないので、どなたでも自由に入れます。もちろん、クリスチャンでなくてもいいんですよ」 すこぶる敷居が低いのは、この教会が“もうひとつの顔”を持っ