米国史上最悪の放射性物質漏えいとなった「スリーマイル島原発事故」は、1979年の発生から28日で32年を迎える。地元では事故の記憶が風化しかけていたが、東京電力福島第1原発の事故が起きたことで当時の恐怖感がよみがえっていた。住民たちは、1週間から10日で放射能汚染拡大の危機が収束したスリーマイル島事故よりも「状況はひどいのではないか」と語り、日本の被災者たちの苦しみや不安に思いをはせた。【米国東部ペンシルベニア州で草野和彦】 州都ハリスバーグの南東約20キロ。サスケハナ川の中州(スリーマイル島)に白煙を噴き上げる2棟の冷却塔が立つ。二つの原子炉のうち、事故が起きた2号機は現存するが閉鎖され、1号機は85年に稼働再開。川の東側に広がる集落との距離の近さに驚いた。 「自分たちの運命は自分たちで責任を持ちたい」。原発周辺の放射線量を監視している市民団体代表エリック・エプスタインさん(51)が