日本人が設立に協力したモンゴル・ウランバートルの日本式学校「新モンゴル高校」のサマースクールに、宮城教育大2年の山信田(やましだ)孝平さん(20)=名取市=が講師として招請された。10〜27日の日程で、留学を目指す生徒に日本語を教える。東日本大震災の被災地からは唯一の参加。山信田さんは「指導を通じて被災地の現状を伝えたい」と話している。 授業では、日本語を使って差別や環境問題について考える時間もある。差別の分野を担当する山信田さんは震災被害に加え、福島第1原発事故による避難者の一部が偏見を持たれ、苦労している話などをしようと考えている。 ことし4月、震災復興支援の一環でモンゴル政府の招待を受け、名取市の被災者とモンゴルを訪問したことが、サマースクールに参加するきっかけになった。 震災で自宅には大きな被害はなかったという山信田さん。地元の役に立ちたいと震災の約1週間後から、がれき撤去の
仙台七夕まつり(仙台七夕まつり協賛会主催)は8日、最終日を迎えた。まつり会場の仙台市中心部のアーケード街で、観光客や市民は「鎮魂」と「復興」への願いを込めた竹飾りの一つ一つを、名残を惜しむように眺めた。 「立秋」のこの日、仙台は高気圧に覆われ、午前中から気温が上昇した。仙台管区気象台によると、正午までの最高気温は31.6度に達し、3日連続の真夏日となった。 観光客もうちわであおぎながら竹飾りを見物。東日本大震災からの復興を祈る短冊をビデオカメラに収める熱心な姿も見られた。
ネパールやウガンダ、ドイツなどから寄せられた震災の被災者への応援メッセージが6、7の両日、仙台市太白区の長町駅前プラザなどで展示された。仙台七夕まつりに合わせ、太白区のサンカトゥール商店街振興組合が主催した。 メッセージは静岡市で日本語学校などを運営する国際ことば学院が収集。同校を卒業した留学生や海外で日本語教師になった日本人に現地の国旗を送り、寄せ書きを依頼した。 「日本ファイト!」「だいすきな日本がんばってね」などと日本語や外国語でつづられた21カ国の国旗や、在校生らが書いた短冊471枚を下げた竹飾りが展示された。 企画したのは同学院職員の畠山千春さん(40)=仙台市出身=と、石巻市でボランティアをした同学院日本語教師の高塚素乃己さん(33)。畠山さんと高塚さんは「世界中の人が心を痛めている。応援メッセージで被災地を元気にしたい」と話した。
仙台七夕まつり(仙台七夕まつり協賛会主催)は中日の7日も、大勢の市民や観光客が訪れ、仙台市中心部のアーケード街などの竹飾りに込められた東日本大震災からの「復興」への願いを、心に刻んでいた。 仙台の最高気温は32.5度で、2日連続の真夏日。にわか雨があったものの、大雨にはならず客足は絶えなかった。 青葉区国分町の休憩所に設けられた飲食スペースでは、津波被害を受けた石巻市雄勝町の鮮魚卸業者「光洋」が、石巻やきそばを販売した。上山政彦社長は「元気な雄勝をアピールに来た。来年は地元の海産物を提供したい」と話した。 協賛会によると、7日の人出は午後9時現在で70万3000人。仙台管区気象台によると、まつり最終日の8日の仙台は曇り時々晴れで、午後からは所により雨や雷雨になる。最高気温は29度の予想。
東日本大震災の津波で全校児童の7割に当たる74人が死亡、行方不明になっている宮城県石巻市大川小の犠牲になった子どもたちの中に、仲のいいきょうだいがいた。6年生だった兄は見つかったが、4年生だった妹は行方が分からない。震災から5カ月を迎える11日、2人を追悼し、妹の発見を願うコンサートが石巻市内のホテルで開かれる。 きょうだいは鈴木堅登君と巴那(はな)さん。2人を含む多くの児童は3月11日、大川小の校庭から北上川たもとにある小高い場所に誘導される途中、川をさかのぼった津波にのまれた。 コンサートは堅登君と巴那さんが通っていた「サルコヤ音楽教室矢本教室」(宮城県東松島市)の有志が企画した。堅登君に英語を、巴那さんに英語とピアノを教えていた講師の久我真奈美さん(53)が涙ぐみながら胸の内を語る。「ご家族の悲しみを深めるだけかもしれない。でも、大事な2人のために何かしたい」 家族思いの堅登君
東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県山元町で、イチゴ農家4人が再起に向けて立ち上がった。イチゴ狩りを楽しめる観光農園の運営会社を設立し、今秋の栽培開始を目指す。町内の仮設住宅で暮らす社長の岩佐隆さん(56)は「町の基幹産業であるイチゴの復活につなげたい」と意気込んでいる。 ほかに参加したのは、岩佐寿郎さん(47)と、丸子直樹さん(32)、伴幸さん(30)兄弟の3人。6月上旬に株式会社「山元いちご農園」を設立し、開園に向けて準備に奔走している。 津波で浸水した山元町山寺の水田2.5ヘクタールを借り、1棟20アールの大型ハウスを8棟建てる計画。地面より高い位置で栽培する「高設栽培」の手法を採るため、水田の除塩などは必要ない。当面は2棟を先行して建設し、10月中にもイチゴ栽培を始めたい考えだ。 総事業費は4億6000万円を見込む。国の補助金や政府系金融機関などからの融資で資金調達
仙台七夕まつりを彩る竹飾りの中には、東日本大震災で津波被害に遭った被災者が手作りした折り鶴も数多く飾られている。避難所で心の余裕を失っていたとき、鶴を一つ一つ折る作業は喪失感を埋め、身内の冥福を祈る機会になった。仙台市内の避難所で肩を寄せ合った女性4人は7日、市中心部のまつり会場で手作りの飾りを見上げ、「これからが再スタートね」と笑顔を見せた。 4人は秋葉けい子さん(51)、焼貝治美さん(50)、小野きよみさん(52)、下山祐子さん(46)。いずれも宮城野区の自宅が流失し、最長で7月末まで宮城野体育館で避難生活を送った。 鶴を折る作業は5月末から6月下旬にかけ、避難所の約200人で行った。仙台商工会議所の声掛けがきっかけ。数千羽を仕上げた。 「空白の時間を埋めることができた」。小野さんはひたすら折り続けた日々を振り返る。 子どもの成長を収めたアルバム、大事にしていた食器―。津波は多
ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)でハスの花が見ごろを迎えた。恒例の「はすまつり」(実行委員会主催、31日まで)も始まり、遊覧船で巡る観光客の目を楽しませている。お盆前までが見ごろだという。 遊覧船を運航する伊豆沼漁協によると、ことしは開花が早く、花の数も多い。遊覧船は伊豆沼の2カ所、内沼の1カ所から運航している。 栗原市若柳の県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターでは、2階の展望室から伊豆沼を一望できる。東日本大震災と4月7日の余震で大型ガラス12枚のうち半分が割れたが、ハスの開花シーズンに合わせて修復させた。
東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市でボランティア活動をしたことが縁になり、宮城県外の民間団体が同市の夏祭りの開催を支援する動きが相次いでいる。震災の影響でほとんどの祭りが中止になる中、「子どもたちに元気を」と、出前の縁日や催しを提案。地域を超えた新たな絆が被災者を勇気づけている。 7日に気仙沼市階上小で開かれた「復興祭イン気仙沼・階上」。かき氷や焼きそばなどの屋台が並び、音楽のステージ、みこしも登場した。準備に当たったのは、神奈川県茅ケ崎市の飲食店主らでつくる「チガケセンプロジェクト」だ。 代表の日向正篤さん(54)は、友人で気仙沼市出身のジャズドラマー、バイソン片山さんと震災直後から階上地区に赴き、支援物資を届けてきた。夏の恒例行事「気仙沼みなとまつり」が中止になったと知り、代わりに地区の祭りを企画。趣旨に賛同した茅ケ崎市民約140人と現地に駆け付けた。 日向さんは「茅ケ崎も気仙
東日本大震災の被災者がテント暮らしを続けてきた宮城県山元町の通称「テント村」で7日、最後の2世帯が仮設住宅に移った。避難所での集団生活になじめず、厳しい環境をあえて選んだ被災者たち。濃密なコミュニティーも形成されたが、最後の「村民」は名残惜しそうにテント村を後にした。 テント村は町中央公民館の敷地内にあり、最大で33世帯、約40人が避難生活を送っていた。 「夫婦で心臓病を患い、発作が起きたら他の人に迷惑が掛かる」。テント生活第1号で、最後まで残った島田君男さん(64)とスミ子さん(64)夫婦は振り返る。町沿岸部の自宅は津波で浸水。震災から約1カ月は車中泊を続け、4月上旬にテントに入った。 「村長」と慕われた古山賢太郎さん(44)も最後まで残った。町内のスーパーに勤め、帰りは深夜。「避難所は夜9時消灯。着替えの音やいびきで周囲に迷惑を掛ける」。4月中旬、車中生活からテント村に移った。
東日本大震災で被災した亘理町荒浜のすし店「あら浜」が、仙台市内で弁当の販売を始めた。自宅と地場の魚介を使った料理が看板だった店を津波で失い、仮設住宅から仕事に通う店主の塚部久芳さん(59)は、地元での営業再開を目指し、再起への一歩を踏み出した。 仙台三越本館地下1階の食品売り場の一角が今の店。自慢のアナゴ飯とホッキ飯を詰めた「あら浜弁当」(1575円)など6種を売る。地場産は確保しにくく、アナゴは千葉産、ホッキは北海道産を主に使う。 扱う食材から価格はやや高めで、周囲にはライバルも多い。「なかなか厳しいね」と話す塚部さんだが、顔には商売できるうれしさがにじむ。 3月11日、塚部さんは、仕込み中に店で地震に遭った。何とか家族と亘理中に避難。そこから見た津波は、自宅や店のあった場所をのみ込んだ。「もうだめだ」。ショックだった。自宅も店も全壊。約10人いた職人とパートには、いったんやめても
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