高知大は29日、脳性まひになった子どもに、出産時にへその緒などから採ったさい帯血の一部を輸血し、運動機能の回復を目指す臨床研究を来春に始める、と発表した。 国内では初めてで、既に実施している米国の大学では効果が表れており、脳性まひの治療法確立が期待される。 脳性まひは、出生前後に脳が損傷を受け、手足にまひなどが残る。発症率は0・2%程度。根本的な治療法がなく、リハビリが中心となっている。 さい帯血はへその緒や胎盤の血液。赤血球や白血球を作る細胞が豊富で、白血病治療で移植などに用いられている。米・デューク大が2005年、脳性まひの子らへの治療に応用を始め、症状が大幅に改善した例もあるという。さい帯血に含まれる血管や神経の基になる幹細胞が、損傷した脳の血管や神経を新たに作ると考えられている。 高知大では、母体内で脳の障害が確認され、妊娠33週未満で早産の可能性がある子どもを対象にする。