日本版コラムニストの津山恵子氏が4月末から約1カ月間、欧州・北アフリカを縦断取材。財政問題や金融不安に揺れる欧州各国の市民生活の今、ムバラク政権崩壊後1年余りたったエジプトの様子など、最新事情をリポートする。 「カンヌ国際映画祭に行ったらどうか。あそこは日本への関心も高いし」 フランス大統領選挙でスタートを切った欧州取材の途中、知り合った記者数人がそう勧めてくれた。私が日本人で、日本と欧州とのつながりという切り口を探しているのではないか、という同業者ならではの嗅覚だ。 カンヌには行かなかったが、同映画祭では過去に、今村昌平監督の「楢山節考」など日本の4作品がグランプリを獲得。米アカデミー賞に比べると、同映画祭での日本映画の人気は極めて高い。冒頭の記者たちが考えたように、フランス人は日本への関心が他の国よりも高く、カンヌに行けばさらにネタがあるのでは、と思わせる背景がそこにある。 果