思春期に受けたストレスが、成長後にうつ病などを発症させる要因の一つになる可能性があることを、名城大の鍋島俊隆特任教授らの研究グループがマウスの実験で突き止めた。米科学誌サイエンスに発表した。 研究グループは、精神疾患の発病に関与するとされる遺伝子を組み込んだマウスを用意。マウスには集団行動の習性があるが、人間の思春期に当たる生後5〜8週の時期に1匹だけ隔離して飼育することでストレスを与えた。 隔離されたマウスは注意力が落ちたり、落ち着きなく動き回ったりするなどの行動を取った。 このマウスの脳を調べたところ、脳内で意欲や認知機能にかかわる物質ドーパミンを作る酵素の遺伝子の働きが悪くなり、意思決定に関係する部位では活動が低下した一方、幻覚や妄想症状と関わりの強い部位が活発に活動していた。血中のストレスホルモンの量は通常のマウスの約3倍だった。 隔離したマウスは、集団に戻した後も異常行