2024年9月20日、文芸評論家の福田和也氏が急性呼吸不全で死去した。その影響力は大きかったのだろう。SNSは追悼の言葉であふれた。朝日新聞デジタルは、「保守の論客、テレビでも活躍」との見出しで報道。これに違和感を覚えた人のツイートもあった。「たしかにそういう時代だなとはいえ、いささか不憫な感じは否めないな」と。「テレビでも活躍」ねえ……と。新刊『自民党の大罪』(祥伝社新書)で平成元年以降、30年以上かけて、自民党が腐っていった過程を描写した適菜氏の「だから何度も言ったのに」第72回。 福田和也氏 ■『CIRCUS』の連載「揚げたてご免!!」 文芸評論家の福田和也が亡くなった。享年63。敬意を込めて敬称は省略する。最後にお会いしたのはいつだったか覚えていない。文章をあまり発表しなくなる前だから、多分10年以上経つ。 * もしかしたら新宿のバー「猫目」かもしれない。扶桑社の編集者たちとテーブ