私たちの社会や組織をネットワークの視点で見るときに、直感的に重要だと思われる概念が「中心性」です。たとえば、自分がネットワークの中心にいれば、さまざまなメリットが得られ、他者よりも有利になると考えるでしょう。しかし、ネットワーク理論における中心性は、もう少し厳密に定義したり論じる必要があります。増田(2007)は、ネットワークの中心性を、(1)次数中心性、(2)近接中心性、(3)媒介中心性の3つに分類して、それぞれの中心性の特徴を説明しています。 一番わかりやすいのは「次数中心性」で、これは自分とつながっている人の数が多いということを指し、いわゆるハブのような位置になります。ただし、つながりの数が多く、ハブの役割を担っていても、ネットワークの中心かといわれるとそうでもないということもあります。ネットワークの周辺にいてもつながりが多い場合もあります。辺境の名士や小山の大将のような場合も含まれ