会社でいえば同僚に告げず、辞表も出さずに姿を消したようなもの。社会人としてけしからん行動。だけど会社員ではなくキューバ人野球選手だと考えれば、常に起こりうることでもある。 ジャリエル・ロドリゲスの件。現時点ではあくまでも消息不明であり、事件に巻き込まれた可能性もゼロではない。だから、ここから先は野球界の常識に従っての推測を書く。優秀な野球選手には、いつだって「魔の手」が伸びる。日本国内の他球団や大リーグから水面下で破格の条件を提示され、ヘッドハンティングの対象となる。そのうまい話に選手が「乗る」と決めれば、契約更新を拒んで移籍する。ところがキューバ人が大リーグからうまい話を持ち掛けられた時だけは、穏便な方法では進まない。 亡命のリスクを負うということは、条件で合意済みの球団があるということだ。亡命だとしても、引き抜きはルール違反。ましてや開幕3日前。けしからん。だけど、彼の心の中に「中日」