著作権保護期間延長の是非に関する本格的な議論は、2006年ごろから始まった。著作権保護団体が文化庁に延長の要望書を提出したことがきっかけとなり、著作権保護期間は延ばした方がメリットがあるのか、逆に短い方がメリットがあるのか、さまざまな調査研究が行なわれた。 著作権保護期間延長はクリエイターのためになるか 国内議論においては延長反対派が優勢となり、延長論は沈静化したに見えたが、2018年に発行された国際条約「TPP11」によってあっさりひっくり返った。日本の著作権保護期間は、50年から70年に延長された。 延長することでどのようなデメリットがあるのか。1つは、著作権が切れた作品を無償公開する「青空文庫」のようなアーカイブに、20年間著作権切れ作品が入ってこなくなることだ。二次創作には別枠で手当がされたところだが、作品そのものの利用や翻案などは20年滞る事になる。 もう1つは、「孤児作品」が増
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