#2 #3 日本でも広がり始めている「DIYバイオ」 地球環境の変化による食糧危機の解決や、いまは治療できない難病の克服など、ゲノム編集技術は未来の社会課題解決への希望を感じさせる。 一方、技術が進展する力強さに対し、ルールづくり、規制、倫理観が追いつかず、技術がひとり歩きする危険性があることは否めない。 技術のひとり歩きを示す一例として、「DIYバイオ」の広がりを紹介したい。 DIYバイオとは、研究者ではない一般市民が、日曜大工のように自宅でバイオテクノロジーの実験を行う活動のことを指し、欧米、そして日本でも広がり始めている。 このDIYバイオは、実験材料やデータ、成果発表のオープンなやり取りを促す「オープンサイエンス」に源流があるとされ、人々が科学に関わり、研究を遂行することを容易にし、知識格差の解消を目指す大きな文脈を背景とする。 こうした広がりは、ゲノム編集がもはや専門家ではない個