最先端半導体の国産化プロジェクトが動き出した。経済安全保障の観点から国が開発費700億円を支援し、回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体について技術開発・量産を目指す。5年後の2027年には量産技術をもとに、先端ロジックファウンドリー(半導体製造受託会社)として事業化する。ただ、これまで国内半導体業界は微細化競争で敗れ、ファウンドリー構想も瓦解するなど苦杯をなめた過去がある。 「情熱は痛いほど分かるが、連携する米IBMも最先端の半導体開発には苦戦していて実現性が不透明だ。工場を建設しても国内の顧客のみでは生産能力を持て余す。他のファウンドリーと競争してグローバル企業からの受注を獲得するためのマーケティング戦略が課題となる」。国産化プロジェクトの中心となる新会社Rapidus(ラピダス)の小池淳義社長(70)と同世代の半導体メーカーOBは、今回の国産半導体計画への疑問点を次々と