「野音」として知られる東京都立日比谷公園(千代田区)の大音楽堂は開設から100年を迎えた。音楽ファンの間で語り継がれる数々のステージを生んできたが、老朽化のため、解体と建て替えが決まった。「音がどこまでも飛んでいく」のが野音の魅力。都は再整備の条件として、独特の開放感は維持する方針を打ち出した。100年の節目に、生まれ変わる野音の歴史を振り返る。(鈴鹿雄大) 都立日比谷公園大音楽堂(野音) 1923年7月に開設。園内の南西部に位置し、敷地面積5700平方メートル。客席は3053人収容。54、83年と2度の改修を経て、現在の姿は3代目。音楽ファンから「ロックの聖地」「フォークの殿堂」などとも呼ばれる。周辺への音の配慮から、音楽イベントの開催は土、日曜日と祝日に限られている。市民団体の集会場所としても使われている。天井がないことから「野外音楽堂」を略した「野音」が通称となっている。