筆者は若かりし頃、社員の代表として労働組合に関わっていたことがある。労働組合といえば、ストライキ(同盟罷業)などの労働争議を思い浮かべる人が多いだろう。ただ近年の日本においては、大規模なストライキをほとんど目にすることもなくなってきている。 厚生労働省の統計上も、日本全国での半日以上のストライキは、2021年はたった32件にとどまっている。一方、英国ではここ最近、あらゆる公共・民間セクターでのストライキが頻発しており、日常生活でのちょっとしたストレスになっている。特に多いのが、ロンドン近郊の電車や地下鉄のストライキである。 実施されるたびに、“またか”とウンザリするほど、ロンドン中心部を大混乱に陥れる。道路が車やバスで大渋滞となるため、通常、地下鉄で10分もかからない距離を3時間かけて到着するなどザラである(東日本大震災で交通機関がまひし、歩いてオフィスから自宅に戻ったのとよく似ている)。
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