『生命の歴史は繰り返すのか? 進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』(ジョナサン・B・ロソス 著/的場知之 訳) まず、「収斂進化(しゅうれんしんか)」というキーワードを知っておく必要がある。別々の生物が同様の環境に適応することによって、それぞれが類似した姿形や行動へと進化することである。たとえば水という環境があると、そこで生活するために、紡錘形でヒレをもった生物、つまり、魚、魚竜、クジラが独立に進化してきた。 本書の前半にはこの収斂進化に関するさまざまな例が紹介されている。 とくに有名なものとして、オーストラリアのさまざまな有袋類(ゆうたいるい)と他の地域の哺乳類があげられる。オーストラリアでは有袋類のフクロモグラ、フクロネコ、フクロオオカミなどが進化したが、他の地域ではこれらから「フクロ」を取った名前の、皆さんも知っているであろう似た姿と生態の哺乳類が進化している。 ちなみに、筆者も数年
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